【11版】タウ・エンパイア類型研究 — 降下接近型(Retaliation Cadre 単独)
タウ・エンパイアの類型研究第1回。今回扱うのは、Retaliation Cadre 1つで 3DP を使い切り、バトルスーツを敵の8”圏へ降ろして撃ち抜く「降下接近型」 — いわゆる Farsight bomb の直系だ。
| 型プロフィール | |
|---|---|
| デタッチメント構成 | Retaliation Cadre 単独(3DP。RETALIATION タグにより他の RETALIATION と同居不可) |
| Force Disposition | Purge the Foe(デタッチメント固定) |
| 交戦距離 | 8〜12”(デタッチメントルールの強化帯) |
| 立ち上がり | 第2ラウンド以降(ディープストライクの解禁に同期) |
| 戦い方の骨子 | 観測層を盤上に残し、火力層を予備から敵の懐へ降下 → 撃破で得点 |
数値・採用集計は現行 Balance Dataslate 期間(2026-07-22以降)のBCP収録イベントに基づく(2000pt・1v1のみ、執筆時点=2026-08-15)。派閥全体の状況はタウ現環境レポートを参照。
実戦での位置づけ
現行期間のタウで最多数派の編成。310ゲーム・勝率52.9%で、4勝以上のロスター34本のうち11本がこの単独構成、うち5-0が3本(The 2026 Gateway Open Teams 192人、Road to NOVA 59人、Obsec WATC 2026 144人)。11本の Force Disposition は全て Purge the Foe(デタッチメント固定のため必然)。
タウの複合トップは Kauyon+Experimental Prototype Cadre(206g・55.1%)だが、母数ではこの型が上回る。「一番勝っている型」ではなく「一番選ばれている型」であることは押さえておきたい。
型を成立させているルール
デタッチメントルール: Bonded Heroes
BATTLESUIT モデルの射撃が 12”以内の敵を対象にするたび S+1。対象が 8”以内ならさらに AP+1(v1.1 Rules Updates で AP の閾値が 9”→8” に変更)。
近づくほど強くなる、この型の存在理由。S+1/AP+1 は plasma rifle(S8/AP-3化)や fusion blaster(S10/AP-5化)のような中口径・高APの武器で特に効き、「降りて至近距離で撃つ」行動そのものが火力バフになる。
降下を支えるコアルールと策略
- Deep Strike(コア 24.09): 11版のディープストライクは敵から水平8”超に降下できる(相手の配置ゾーン内も可)。予備からの到着(ingress move)は第2ラウンド以降(20.03)。Bonded Heroes の AP 帯が 8” 、降下許容が 8” 超 — つまり素の降下では AP+1 に届かないよう設計されている。
- THE SHORTENED BLADE(2CP): ディープストライクで到着する BATTLESUIT 部隊を敵から水平6”超まで寄せて降ろせる(v1.1 で 3”→6”。そのターンはチャージ不可)。8”の壁を2CPで買い、降下ターンから S+1/AP+1 の全力射撃を通す、この型の中核策略。
- 戦略予備の制約(コア 20.01/20.03): 予備は合計2000ptの50%まで、第3ラウンド終了時に未到着の予備は壊滅扱い。火力層を全部は預けられず、降下は実質第2〜3ラウンドに集中する。
- Homing Beacon: Stealth Battlesuits の装備アビリティ(v1.1 で 9”→8”)。盤上の Stealth を基準点に Crisis を CP なしで降ろす選択肢を作る。
強化(4種)
- Starflare Ignition System(20pt) — 相手ターン終了時、装備者の部隊が非交戦なら戦略予備へ自主撤収できる。降りて撃った部隊を回収し、翌ターン別の場所へ降らせ直す「出戻り」の要。
- Prototype Weapon System(15pt) — 装備者の射撃ごとに [LETHAL HITS] か [SUSTAINED HITS 1] を選択。
- Puretide Engram Neurochip(25pt) — 装備者の部隊を策略の対象にするたびD6、4+で1CP還付(v1.1改定)。SHORTENED BLADE を毎ターン焚くCP燃費の補助。
- Internal Grenade Racks(20pt) — ノーマル移動で飛び越えた敵1部隊にD6を6個振り、4+ごとに1モータル。
11本の実採用は Starflare Ignition System 8(Enforcer 5・Coldstar 3)、Prototype Weapon System 4、Puretide Engram Neurochip 1、Internal Grenade Racks 0。回収→再降下のループが実戦の主流であることが強化の選び方に出ている。
策略(6種)
- THE SHORTENED BLADE(2CP) — 上述。降下距離 8”→6”。
- THE ARRO’KON PROTOCOL(1CP) — 6体以上の敵部隊への射撃に [SUSTAINED HITS 1]、11体以上なら [SUSTAINED HITS 2]。
- THE TORCHSTAR GAMBIT(1CP) — FLY の BATTLESUIT が射撃後にノーマル移動(撃ち逃げ)。
- STIMM INJECTORS(1CP) — 射撃/白兵の標的にされた BATTLESUIT 部隊に、フェイズ終了まで FNP 6+。
- GRAV-INHIBITOR FIELD(1CP) — BATTLESUIT へのチャージ宣言直後、その敵にバトルショックテストを強制し、モデル数ぶんD6を振って6ごとに1モータル。
- FAIL-SAFE DETONATOR(2CP) — Deadly Demise 持ちのモデルが除去されるとき、出目を1か6から選べる。
攻め筋(SHORTENED BLADE / ARRO’KON / TORCHSTAR)と、8”圏に立つ代償を軽減する受け筋(STIMM / GRAV-INHIBITOR / FAIL-SAFE)の2系統で、型のリスクとセットになっている。
主軸ユニットパッケージ
4勝以上のRC単独ロスター11本の採用状況。ポイントは Munitorum Field Manual 11e(v1.2)の1〜2枠目の値(一部装備に加算あり)。
| ユニット | 採用 | 延べ枠 | pt | 役割 |
|---|---|---|---|---|
| Pathfinder Team | 11/11 | 16 | 85 | 観測(MARKERLIGHT)・前線得点 |
| Crisis Fireknife Battlesuits | 10/11 | 17 | 100 | 降下火力(中距離汎用) |
| Commander in Coldstar Battlesuit | 10/11 | 22 | 95 | Crisis 同乗リーダー・高速単独運用 |
| Crisis Starscythe Battlesuits | 10/11 | 19 | 90 | 降下火力(対歩兵) |
| Stealth Battlesuits | 10/11 | 20 | 100 | 観測・Homing Beacon・スクリーン |
| Commander Farsight | 10/11 | 10 | 70 | Crisis 同乗リーダー(型の看板) |
| The Twin Lance | 9/11 | 9 | 220 | 独立火力・チャージ抑止 |
| Crisis Sunforge Battlesuits | 9/11 | 16 | 125 | 降下火力(対装甲 fusion) |
| Commander in Enforcer Battlesuit | 9/11 | 13 | 80 | Crisis 同乗リーダー |
| Riptide Battlesuit | 7/11 | 13 | 190 | 盤上の常設火力・弾受け |
| Ghostkeel Battlesuit | 6/11 | 7 | 150 | 隠密の独立枠・後半の拠点荒らし |
| Darkstrider | 5/11 | 5 | 60 | Pathfinder 強化リーダー |
このほかは Hammerhead Gunship 3/11、Vespid Stingwings・Firesight Team・Kroot Carnivores・Piranhas・Commander Shadowsun が各2/11、以下散発。上位12ユニットだけでほぼ骨格が完成する、収斂度の高いパッケージだ。
構造は三層に分かれる。
- 降下火力層 — Crisis 3種(Fireknife/Starscythe/Sunforge)に Commander(Coldstar/Enforcer/Farsight)を同乗させた「ボム」を複数束。1本あたり Crisis 4.7枠・Commander 4.1枠が標準で、ポイントにしてロスターの4割強をこの層が占める。
- 観測層 — Pathfinder(全ロスター採用)と Stealth。For the Greater Good の Observer を供給しつつ、Stealth は Homing Beacon で降下の基準点にもなる。
- 常設圧力層 — The Twin Lance・Riptide・Ghostkeel。降下解禁前の第1ラウンドから盤上に圧力をかけ、弾を受ける枠。
装備の実態
- Crisis Fireknife: plasma rifle 54・missile pod 48(17枠≒51体) — ほぼ全機が plasma+missile の標準構成。Shield/Gun Drone もほぼ満載。
- Commander in Coldstar(22枠): fusion blaster 32・burst cannon 22・high-output burst cannon 13・cyclic ion blaster 9。近距離武器に寄せた構成が主流で、Bonded Heroes の 8” 帯と一致する。
- Commander in Enforcer(13枠): missile pod 22(≒2門/体)・plasma rifle 10・fusion blaster 9。
- Riptide(13枠): ion accelerator 13/13(全機、+25pt)・Missile Drone 26(2基/機が標準)。
- Ghostkeel(7枠): 主砲は fusion collider 4・cyclic ion raker 3 で割れる。
回し方
- 配置: 観測層+常設圧力層を盤上に、降下火力層を戦略予備に(50%上限に注意)。Stealth は Homing Beacon の基準点を意識して置く。
- 第1ラウンド: 降下は解禁前。Twin Lance・Riptide が圧力をかけ、Pathfinder/Stealth が観測網と得点の下地を作る。撃たれる側のラウンドなので、失ってよい順番を決めておく。
- 第2〜3ラウンド: 降下の本番。素の Deep Strike(8”超)は S+1 帯まで、THE SHORTENED BLADE(2CP)で 6”超まで寄せれば AP+1 帯に入る。Guided(観測層が Observer)を成立させてから斉射し、Purge the Foe の撃破得点に変換する。第3ラウンド終了時の予備壊滅規定があるため、ここで出し切る。
- 第4ラウンド以降: Starflare Ignition System 持ちの部隊は非交戦なら予備へ撤収→再降下でトドメの一撃を回す。降り先が細る終盤は TORCHSTAR GAMBIT の撃ち逃げと受け筋の策略で生存を優先し、得点を守り切る。
この型の弱点
- スクリーンに構造的に弱い。安いボディで敵本隊の周囲8”(SHORTENED BLADE 込みでも6”)を埋められると、AP帯どころか降下先そのものが消える。降下許容が9”→8”になった11版でも、この関係は変わらない。
- 時間割が固定されている。到着は第2ラウンド以降・第3ラウンド終了時に未到着予備は壊滅、というコアルールの枠により、相手は「いつ来るか」を知っている。受けの準備が整った相手には降下の質が直接勝敗になる。
- CPを食う。SHORTENED BLADE は1回2CP。受け筋の策略も使いたい型なので、CP計画が崩れると攻守どちらかが欠ける(Puretide Engram Neurochip はその保険)。
- 1DP拡張がない。3DPを使い切るため、Kauyon系複合のような1DPハーフセットの上積みは不可。デタッチメント由来の伸びしろは策略の運用に閉じる。
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